角層・角質層とは?どんな働きや効果がある?
角層(かくそう)・角質層(かくしつそう)とは、お肌の表面である「表皮」のなかで最も外側にある、角質が積み重なってできている部分のことです。
角質層は、皮脂や汗でなどからできている「皮脂膜」とともに、
- 水分が過剰に蒸散してしまうことを防ぎ「お肌のうるおいを保つ
- ほこりや微生物、細菌などの異物の侵入を防ぐ「バリア機能」
という健康、美容に重要な2つの役割を持っています。
また、お肌の一番外側にある部分のため、見た目のうつくしさも大きく左右します。健康で美しいお肌を保つには、この角質層の働きをしっかりと保つことが重要となります。
乾燥などによりお肌の水分がすくなくなり、角質層のバリア機能が低下した状態のことを「敏感肌」と言います。
角層・角質層の構成は?厚さは?
角層(角質層)は、以下の3つで構成されています・
- 角質細胞
- 角質細胞の中にある「NMF(天然保湿因子)」
- 「細胞間脂質(角質細胞同士の間を埋めている)
角質細胞が10〜20層以上積み重なっていますが、角質層の厚さは約0.02m程度*と、ラップフィルム程度の厚さしかありません。
*箇所によります。足の裏や手のひらでは厚くなる傾向があります。
角質層はターンオーバーによって生まれ変わる
角質層を構成している角質細胞は、ターンオーバーによって自然にお肌から剥がれ落ちることによって生まれ変わります。
- 基底層で生まれ、
- 有棘層
- 顆粒細胞
- 角質細胞
と徐々に表面に押し上げられていくのです。
角質肥厚には注意
本来剥がれ落ちるはずの角質がお肌に残ってしまい、角質層が徐々に厚みをましてしまうことを「角質肥圧」といいます。お肌のごわつきなどの原因となりますので、注意しましょう。
化粧品の浸透は「角質層まで」
角質層はお肌の表面に位置するため、見た目の印象を大きく左右します。しかし、上記のターンオーバーからそう短くない未来に剥がれ落ちます。また、
特殊な医療技術を除き、角質層よりも奥に浸透する化粧水などは、基本的にありません。
化粧品の管理を行なっている法律である「薬事法」において、化粧品が角質層よりも奥まで浸透するという広告が禁じられています。
角質層がお肌にバリアをはり、うるおいを与える仕組み
角質層は、お肌にバリアをはったり、潤いをあたえるのに非常に大きな働きをしています。
例えるのであれば、保湿成分を含んだ角質細胞が「レンガ」のようにうるおいを保ちつつバリアをはり、細胞間脂質が「セメント」のようにそのレンガを繋ぎ止めているのです。
角質層の細胞間脂質がうるおいに重要
角質細胞と角質細胞の間を埋めている「細胞間脂質」が、お肌の潤いを保つうえで重要なカギとなります。細胞間資質が、過剰な水分の蒸発を抑えることで、お肌のうるおいをキープしているのです。
さらに、角質細胞同士をつなぎ合わせることで、紫外線やウィルスなどの外部からの刺激の侵入を防ぐ機能も持っています。
細胞間脂質の50%以上が「セラミド」で構成されています。
細胞間資質が「角質層のうるおいの80%以上を守っている」とされています。
NMF(天然保湿因子)
天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)は、その50%以上がうるおいの素とも言われる「アミノ酸」で構成されています。このNMFが、角質層でうるおいをキープする役割を持っています。
角質層は「うるおいをあたえること」「ターンオーバー」が重要
角質層のケアには、「保湿ケア」と「ターンオーバーを整える」ことが重要です。
角質層を構成する3つは、全てお肌の生まれ変わりである「ターンオーバー」によって生まれてきます。まずはお肌がしっかりと生まれ変わる環境を作ってあげることが重要なのです。